2002年12月12日 (横浜みなとみらいホール 小ホール)
指揮:平松剛一 / ピアノ:金井信
曲目
第一ステージはビクトリアのアヴェマリアを始め、イエス・キリスト、聖母マリアをたたえる曲を集めました。
曲はルネッサンス時代の曲(ビクトリアのモテットなど)を中心に近代の曲(プーランク・サンクトゥス)まで、時代によって移ろう多彩な響きにのせて、時代によって変わらぬ人の深い祈りをお届けしました。
誰もが、自分以外の誰かに優しくなれそうな気がする、そんな時間を過ごしていただけたらと願いつつ。
・Puer natus est nobis : グレゴリオ聖歌
・Gloria 「ノートル・ダム・ミサ」より : G.de Machaut/曲
・Ave Maria : T.L.de Victoria/曲
・O magnum mysterium : T.L.de Victoria/曲
・Kyrie 「Missa O magnum mysterium」より : T.L.de Victoria/曲
・Agnus Dei 「Missa O magnum mysterium」より : T.L.de Victoria/曲
・Sanctus 「ト長調ミサ曲」より : F.Poulenc/曲
・Patapan : B.Monnoye/曲 K.Malucelli/編
・Amazing Grace : J.Newton/詩 A.Parker&R.Show/編
第二ステージは一転して皆様おなじみのナンバーを、金井さんのポップなピアノに乗せて、ひらこんのまた新しいテイストでお送りいたしました。
オープニングはひらこん選りすぐりの女声メンバーによるアンサンブル「Violette」によるカーペンターズ・メドレーで幕開け。そして平松剛一アレンジの大きな古時計を。クリスマスコンサートではもう定番の横山潤子先生編曲は、今年は思わず口ずさみたくなる「亜麻色の髪の乙女」、「涙そうそう」をお送りいたしました。
慌ただしい12月の中に、ほっと一息つける、香り豊かなアール・グレィティーのような上質な夕べをお届けいたしました。
・カーペンターズ・メドレー
-トップ・オブ・ザ・ワールド : 辻田 幸徳/編
-青春の輝き : 辻田 幸徳/編
-Sing : 源田俊一郎/編
・亜麻色の髪の乙女<編曲初演> : 橋本 淳/詩 すぎやまこういち/曲 横山潤子/編
・大きな古時計 : H.C.Work/詩・曲 平松剛一/編
・涙そうそう<編曲初演> : 森山良子/詩 BEGIN/曲 横山潤子/編
・アヴェ・マリア : F.Schubert/曲 神坂真理子/編
・城門よ、頭を上げよ : 「メサイア」より : G.F.Handel/曲
・No longer a Baby : B.J.Leech/詩 J.Sanborn/曲
・ハレルヤ! : G.F.Handel/曲 青木 肇/編
(アンコール)
・柊かざろう
・翼をください
アンケートより
ふつう私は、ミサ曲が続く演奏会は途中で眠くなってしまいます(笑)。でも、さすがひらこん!ひと眠りどころか、第Ⅰ部が終わるまで少しも飽きることなく楽しむことができました。ひらこんの魅力は、ハーモニーの素晴らしさに加えて、「気持ちが伝わってくる」演奏だと思います。ひらこんの皆様が1曲1曲に込めた思いが、客席の隅々まで伝わってきました。私たちも主体的に、気持ちに応えないと圧倒されてしまうような、そんな雰囲気でした。第Ⅰ部が終わったときには、厳粛なクリスマスの気分と、「よし、聞いたぞ!」という達成感でいっぱいになりました。
今年はラジオなどでもよく聴いた「大きな古時計」や「亜麻色の髪の乙女」ですが、ひらこんが歌うとまた、違った雰囲気になってとても良かったです。今年を代表する曲を、ひらこんの気持ち溢れるハーモニーで楽しむことで、ああ、今年も終わるんだなあという気持ちでいっぱいになれました。
最後の「ハレルヤ!」に感動!!ゴスペル調のリズムで、いつもの立ち位置より広がって歌うひらこんの皆さんの声は、倍の人数以上で歌っているのと同じくらいの迫力でした。全身が痺れ、圧倒されてしまいました。実に”気持ちいい”演奏で、大満足でした。
アンコールの「翼をください」は、クリスマスコンサートなので「あれっ?」と一瞬思いましたが、すぐに聴き入ることができました。この曲は、「来年も、夢をもって力強く生きていけるように」というひらこんのメッセージなのですね。今年は苦しいことが多い一年間でしたが、来年も頑張っていこう!という気持ちになれました。勇気付けてくれたこの曲、そしてひらこんに感謝します。