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日本を代表する合唱指揮者である平松剛一氏が主宰する平松混声
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合唱団 （通称・愛称 ひらこん）は、2002年の本年、結成20周年を
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迎える。東京芸術大学音楽学部・器楽科出身で第一級のクラリネット
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奏者である、平松氏が紡ぎ出す合唱音楽には卑俗な“合唱臭さ”は
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微塵（みじん）もなく、 音楽的デッサンは極めてクリアーであり、
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テムポや曲の運びは清潔感に満ち、いわゆる“ゼイ肉”が皆無の音楽
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と言えよう。平素の練習時におけるさまざまなチェックや指導は、
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氏の眼光のごとく鋭くきびしい。しかし氏も、氏の音楽も常に人間的
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あたたかさが満ち溢れ、音楽的解釈や演出は正格であり正確である。
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音楽活動には確固たるポリシーを堅持する平松氏であるが、それは
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狭量を意味 するものではなく、音楽観、芸術観、人間観、社会観
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等々は広々として正しく、時流に乗ることは決してない。
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このような平松氏を慕い「ひらこん」のメンバーとなり、合唱に
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人生を賭ける決意のもとに集い合った若人たちに早くも20年の歳月
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が流れたことになるが、この間、音楽・人生両面にわたり、平松氏
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の卓越した指導を受けてきた「ひらこん」の活躍は目覚ましく、練習
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から本番演奏に至る数多くの驚異的スケジュールをこなしつつ、
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国内では全日本合唱コンクールでの金賞受賞、 国外ではシューベルト
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国際合唱コンクールでの第２位入賞など、平松氏とともにこの分野に
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おける金字塔的成果をあげ、いまや日本を代表する最高の合唱団の
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一つとしての地位を不動のものとした快挙に対し、心底より大拍手を
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送りたい。
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20周年ということで、この団の団長を務める小野 勉君のこれまでの
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労を、ひとこと称えてあげたい。彼は、極めて良質なテノールの
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美声の持ち主で、 2001年度、奏楽堂日本歌曲コンクールでは見事
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第３位入賞を果たした人である。またピアノの渕上千里君も実に
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優れた奏者であり、日本モーツァルト音楽コンクール・ピアノ伴奏部門
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での第３位、奏楽堂コンクールでの共演者賞 などの受賞歴を持つ。
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人柄も良く、師・平松氏とメンバーの篤い信頼を得ている両君の、
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益々の活躍を望みたい。 |
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そして実は小野君以外のメンバーも、それぞれ独唱担当が可能な
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程の立派な声の持ち主が揃っているのである。「ひらこん」の、
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極めてデリケートなppから数10人編成のそれを思わせるffまでの
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ダイナミック・レンジの広さは、 ここから生まれると言ってよい。 |
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新規録音を含むこの記念すべきCDは「ひらこん」20年の結晶であり、
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豊かで無限の可能性と、今後の更なる発展の未来までを彷彿と
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させてくれる。 多くの「ひらこん」ファンの方々と共に、この１枚を
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心ゆくまで楽しみたく 思う。
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［2002.6.記］ |
このサイトは平松混声合唱団プロデュースによる、「心を豊かにする合唱鑑賞」を提案する情報サイトです。
