U 私の目指す合唱とは
<2003.2.1>
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私は合唱(歌)だからこそ、言葉のメッセージとして詩(言葉)の |
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細部に注意を払い、詩の心を聞き手に伝えることが最も重要だと |
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思っている。それが伝わらなければ表現とは言えない。音楽は |
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人の心を躍らせ、人の魂を揺り動かし、人の気持ちをしみじみとさせる、 |
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心温まるものである。聴いて下さるお客様が本当に楽しんで頂けるよう、 |
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演奏者はすべての面で最大の努力をしなければならない。自己満足で |
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あったり、独善的な独り善がりの演奏になってはならないと思っている。 |
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歌はいろいろなジャンルに分けられる。オペラ、リート、宗教曲、 |
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ポピュラー、ジャズ、艶歌(歌謡曲)、童謡など。そのそれぞれに |
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歴史とともにすばらしい世界を持っていて、歌い手たちはその |
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ジャンルに精通している。しかし、それらをいざ“歌い分ける”となると |
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非常に難しい。アメリカには、オペラとジャズを見事に歌い分ける |
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歌手がいる。それはその歌に対する声(発声)、リズムの取り方、 |
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フィーリング(表現方法)などの違いをしっかりと解っていて、 |
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観客に伝えられるからだ。 |
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合唱はそれらすべての歌を歌うことができる。これが最大の魅力なのだ。 |
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だからこそ“歌い分け”が可能な発声を身につけなければならない。 |
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当然ソロと合唱の発声も異なる。アメリカのロジェ・ワーグナー合唱団の |
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公開レッスンを聴いた時、オペラ曲を歌う声と合唱の声の歌い方を |
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実際にやってくれた。その時は、「これだー!」と心の中で叫んでいた。 |
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その他にも、曲によって並び方を変えたり、細部にわたり気を配るのだ。 |
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昨年10月にもロジェ・ワーグナー合唱団は来日し、平混はそのリハーサルを |
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聞くことを許された。しかし、その声作りは一朝一夕にはできるものではない。 |
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非常に難しい。日本の合唱団でそれができる合唱団を今まで聴いたことがない。 |
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それもそのはず、声楽を勉強する人のほとんどはオペラ歌手を目指している。 |
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合唱に適する発声、特に日本語を美しく伝える発声を研究しなければならないと |
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思っている。 |
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私はすべての歌の世界を合唱を通してみなさまにメッセージとして |
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伝えることができたら、合唱は虹色に輝くだろうと希望を持っている。 |
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そして、年配の方から子供までの幅広い層の方々に「合唱ってこんなに |
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すばらしいんだ!」と言って頂けるような、合唱団を目指していきたい。
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